屋上の防水工事 ビルの雨漏りを防ぐ定期メンテナンスのすすめ

雨漏りの発生原因と対策

ビルやマンションで雨漏りが発生している場合、原因が屋上防水層の劣化であることが多く、放置をすると雨が降るたびに水が浸入し建物内部に損傷を与えてしまいます。その状態が続いた結果、賃貸事務所や部屋の天井から雨漏りが起こってしまう事例も多く見受けられます。

現場調査を行い、雨漏りの原因が屋上防水層の劣化と判明した場合はいくつかある防水工事の工法の中から最適な工法で工事を行います。

雨漏りを引き起こす劣化のサイン

防水層の劣化のサインには、表面のひび割れ、色褪せ、剥がれ、膨れ、浮き、水たまりの発生などがあります。これらの症状が見られた場合、防水機能が低下している可能性が高く早めの点検、補修を行うことで雨漏りの発生を防ぐ、すでに起きている雨漏りの被害を止めることができます。

定期点検の頻度

一般的には年に1回、または長くとも2年に1回の点検をおすすめしていますが、厳しい気候条件や築年数の古い建物、以前に防水トラブルがあった建物はより頻繁な点検が必要となります。

主な防水工法と特徴について

防水工事は建物の状況や適している工法、求める耐久性などに応じて選択します。

主な防水工法と特徴

①ウレタン塗膜防水工法

・液状の材料でバルコニー、ベランダ、屋上などの複雑な形状の場所にも柔軟に対応できる

・継ぎ目のない一体化された防水層

・比較的にコストを抑えて安価で施工することが可能

・密着工法と通気緩衝工法で建物に合わせて選択できる

ウレタン密着工法

ウレタン樹脂を直接塗布し硬化させる工法で下地との密着性が高く、他の工法に比べて費用が抑えられる

ウレタン通気緩衝工法

下地とウレタン防水層の間に通気緩衝シートを挟み、水蒸気を外部に逃して防水層の膨れや剥がれを防ぐ工法

シートがクッションとなり、下地からの動きを吸収し防水層の破損を防ぐ

湿気や下地からの影響を受けにくいため長期的な安定した耐久性が期待できる

②シート防水工法

・塩化ビニール樹脂や合成ゴムなどの防水シートを下地に接着剤や専用の機械で貼り付けて一体化させる工法

・品質と耐久性の高いシートで雨水や湿気の侵入を防ぎ、広い面積を一度に短時間で効率的に施工できるためマンションや商業ビルで多く採用され、長期にわたる防水性の維持、工期の短縮といったメリットがある

③アスファルト防水工法

・液状のアスファルトに浸み込ませたルーフィングシートを複数枚重ね合わせて貼り重ねることで水を通しにくい防水層を形成する工法

・アスファルトを高温で溶かし、ルーフィングシートに浸み込ませて貼る熱工法、アスファルトを常温のまま使用し粘着層でルーフィングシートを貼り付ける常温工法、ガスバーナーを使用しアスファルトルーフィングシートを炙り溶融させて貼り付ける工法などがあります

・耐久性と防水性能が高く、多くのビルやマンションで古くから採用されている信頼性の高い工法

まとめ

防水工事は定期点検で不具合を早期発見し、適切な時期に症状に応じた工事を行うことで建物の維持や寿命延長、雨漏り、内部に及ぶ高額な修理費用の発生を防ぐ予防策となります。10年程度を目安に必ず防水工事を行い漏水事故を防ぐことが長期にわたる建物の保護につながります。

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